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刹那的発泡詩 < 11 > [ひまつぶ詩]



「透明」


クリーンなエネルギー
煙も吐かない
音も出さない

透明なエネルギー
働く人も
動く機械も
蠢く魂胆も
何も見えない

危ない!

いきなり言われて
振り返っても
そこには
見慣れた風景があるだけ

何も見えない

ただ自分の中で
不安が降り積もっていく
音だけが

聞こえる





**********





「鏡」


胸の
薄暗がりの
階の途中にある鏡は
たいてい歪んでいて
体裁の良い自分と
都合の良い他人しか
映さない

もし
詩人と名乗りたいなら
そんなもの叩き割っちまいな

砕け散った鏡の破片に
粉々の世界が映るから
飛び散った世界の数だけ
物語が拾えるから

間違って破片を踏んづけて
どす黒い血を流しても
その血で叫びを
綴ることだってできる





**********





「坂」


のぼり坂をくだり
くだり坂をのぼる
そんな生活を
数十年続けた挙句
僕はのぼり坂とくだり坂の
区別がつかなくなった

父はきっちりと
のぼり坂をのぼりつめて
入道雲になった

坂の途中で
苦い汗を拭いながら僕は
今年も呆けたように
盛り上がる父を眺めていた





**********





「バグ」


絶え間なく
すり抜けていって
くれるはずの
時間の粒子が
水垢みたいに
記憶の網目に
こびりついて
離れない時がある
意識の水底から
そいつは時々
気泡となって
ちょうどカップ麺に
湯を注いでいる
ような時に突然
鼻先で弾けるような
場合もあるので
心身ともに
火傷することを
覚悟しておいたほうが
良いかもしれない



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