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刹那的発泡詩 < 12 > [ひまつぶ詩]


「水」


水から生まれ
水に育まれ
水と戯れる

水に焦がれ
水に溺れ
水に流す

水を恐れ
水を恨み
水を疑う

水を想い
水を懐かしみ
水に従い

やがて

水に還る





**********





「ゴロゴロ」


土曜日のお昼ゴロ
テレビの前でゴロゴロ

珍しくないから
昆虫図鑑にも載せてもらえず
面白くないから
観察日記にも書いてもらえず

疲れやすいお年ゴロ
リモコン片手にゴロゴロ

意気地がないから
ジゴロにもゴロツキにもなれず
葉っぱが嫌いだから
いっぱしの害虫にもなれず

いもむしゴロゴロ

さなぎのように
柔らかな緊張感も保てず
蝶なのか蛾なのか
背中のロゴすら確かめられず

休日の口当たりの良い時間を
ジリジリと食い尽す
自堕落の心地良い傾斜を
ゴロゴロゴロゴロ
転がり続ける





**********





「ぶきっちょなてのひら」


てのひらは
ものを掬うには
向いていない

片っ端から掴んだものも
後生大事に握り締めたものも
指の隙間からするする零れ落ちて
情けないしわしわしか残らない

てのひらは
ものを掬うには
向いていない

それでも
救うことはできるかもしれないと
手を差し伸べたのだけれど
奈落の途中にぶら下がっている
君を救うには
指の長さがちょっとだけ足りなかった

やっぱり
ぶきっちょな
てのひら





**********





「傘は必ず携帯すべし」


自分が本当の夏なのか
確信がもてないまま
今年の夏は迷走する

稲妻のような癇癪を起したり
駄々っ子のようにいきなり号泣したり
暑苦しい溜息をついていたと思えば
こそこそと台風の陰に隠れたり

子供と異常気象の扱いに
まったく慣れていない
とてもデジタルな気象予報士は
玉虫色の今日のお天気と
場当たり的な週間予報を
繰り返すしかなかった

だから
たとえ君が濡れネズミになっても
決して誰かを恨んじゃいけない




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