So-net無料ブログ作成

刹那的発泡詩 < 16 > [ひまつぶ詩]


「彼岸」


薄曇りの中日

線香の煙に
少し咽ながら
不浄の掌を
こっそりと合わせた

温んだ寂しさと
刺の抜けた後悔を
浮かべた空は
のっそりと凪いで

今年も
向こう岸の事を
ぼんやりと想った




**********




「妄想せよ!」


言葉は他人の哀しみを
拭い去ることは出来ない
言葉は他人の喜びに
追いつくことはできない

他人の役に立とうと
他人に優しくしようと
力んで発した言葉ほど
役に立たないものだけど

役に立たない言葉を使って
表現を試みることは
自分の哀しみや喜びの
滋養になり道標になる

妄想せよ!
愛しさを込めて




**********




「ZOO」


会社は生き物だ
家庭は生き物だ
社会は動物園だ
国は姿の見えない園長だ

紙幣を丹念に数える音と
芳ばしい欲の匂いしかしない
動物園の
檻の中の
君と僕は

哺乳類の
抜けかかった下毛か
爬虫類の
左後ろ足の爪の垢だよ




**********




「お世辞」


お世辞を言うのは
下手ではない
お世辞を言われるのが
下手なのだ

流れ落ちるほど
ユルユルに頬を緩ませて
頭の上に八分音符を
乗せてりゃいいものを

野暮な指でお世辞の裾を
めくってみたくなる
真っ赤な嘘の裏地を
嗤ってやりたくなる




nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

メッセージを送る

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。