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刹那的発泡詩 < 20 > [ひまつぶ詩]


「生かされて」


咲いては散り
繁っては落ちる
木は生きている

生まれては食み
生んでは果てる
虫は生きている

だから
ぼくらはみんな生きている
なんて
思っちゃあいけない

ぼくらはみんな生きている
ようで
生きちゃあいない

自然の環から
はみ出したぼくらは
生かされなければ
生きられない




**********




「みちる」


とまる
とる
とまる
とう
歳を
罪を

ふりかえる
ふえる
ふりかえる
ふりる
枷を
翻して

あゆむ
あむ
あゆむ
あう
詩を
人に

みちる
みる
みちる
ちる
夢を
いつかは




**********




「いつかの昨日」


何気ない言葉で
ヒトを見失ったのは
いつかの昨日

子供じみた素振りで
コトを泡立てたのは
いつかの昨日

その度に何度も
いつかの今日の
真ん中に放り出されて

その度に何度も
時間と場所の狭間を
探し回ったはずなのに

未だに見つからない
いつかの明日




**********




「窓を開けて」


楽しさを探しに
ネットの海の底や
量販店の森の中を
さまようのも良いが
案外自分のランゲルハンス島に
打ち上げられていたりもする

哀しさを捨てに
アルコールの湿地帯や
カラオケの滝壺を
さすらうのも良いが
しっかりと自分のうずまき管に
しがみついたままだからタチが悪い

窓を開けよう
風を入れよう

楽しさも哀しさも
風にたなびかせて
細胞の津々浦々まで
風にさらして

少し透き通ったところから
何かを始めよう
何もなくなったところから
何かを始めよう




**********




「馬鹿でも詩は書ける」


知識の羅列ゲームなら
すぐに負けてやるよ
物識り自慢大会なら
隣のテーブルでやっとくれ

難しい言葉に首輪をつけて
乙に澄ましているよりも
飼い慣らしたオバカな言葉と
賑やかに酒盛りをしていたい




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刹那的発泡詩 < 19 > [ひまつぶ詩]


「誕生日」


いつからだろう
積み上げていく喜びが
積み上がってしまう寂しさに
変わったのは

経験や実績を
几帳面に積み上げて悠々と
辺りを俯瞰出来る大人なんて
いるのだろうか

今日の自分は
積み上がってしまったガラクタの上で
ひたすら大人のお面を磨いている
高所恐怖症の猿だ




**********




「他愛ない話」


なぜ目はふたつついているの?
>本物と偽物を見分けるために

なぜ耳はふたつついているの?
>本当と嘘を聞き分けるために

なぜ鼻の穴はふたつなの?
>勝者と敗者を嗅ぎ分けるために

それなのに
なぜ口はひとつしかないの?
>本当や嘘やいろいろなものを
>一緒くたにしして吐き出すために

他愛ない質問を繰り返しているうちに
少女はほどなく眠りこんでしまった

なぜ人は夢を見るのだろう?
>自分の罪と毒を少しだけ薄めるために

僕は今日も眠れない




**********




「花見」


陽光に誘われて
南風に祝福されて
人々はゆらゆらと
花の下に集う

うららを微笑んで
うららを呼吸して
うららを口ずさんで
うららに酔いしれて

季節の花と人の花が
密やかに呼び合うと
春が旋律となって
緩やかに巡り始める




**********




「詩書き≠詩人」


相応しい言葉などない
当て嵌まる言葉などない

あるのは
事象に追いつけない言葉だ
観衆におもねる言葉だ

詩の言葉は
誰も教えてくれないし
教科書も参考書もない

詩の言葉を
取り仕切るちっちゃな神様は
たくさんいるが信じちゃいない

そんなことだから
自由という名のバチがあたり
未だに詩人とは名乗れない



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